2025/11/21 12:18
クルマ好きにとって永遠のテーマともいえる「ターボ」と「NA(自然吸気)」。街乗りや高速道路なら燃費や加速性能で比較できますが、サーキットで走るとなると話は変わります。
同じサーキットを走っても、ターボとNAでは“楽しさの質”がまったく違うのです。
本記事では、サーキット走行におけるターボとNAの魅力を徹底的に比較してみます。
1. ターボの魅力:トルクで一気に加速
ターボ車の最大の特徴は、低回転から発生する圧倒的なトルクです。
• ストレートでの加速は圧倒的に有利
• コーナー立ち上がりで「押し出される感覚」
• ギア選びが多少ラフでも速く走れる
例:
• スイフトスポーツ(ZC33S, 1.4Lターボ)
コンパクトでもトルクがあるため、立ち上がりが力強く、初心者でも速さを体感しやすい。
• シビック タイプR(FK8, 2.0Lターボ)
高回転も伸び、直線の速さではNAを圧倒。サーキットタイムを狙うなら強力な武器。
ただし、デメリットもあります。
• トルクが太すぎてホイールスピンしやすい
• 熱管理がシビア(油温・水温がすぐ上がる)
• パワーに頼りすぎてライン取りが雑になりがち
2. NAの魅力:高回転を使い切る快感
NAエンジンの魅力は、アクセルに対するレスポンスの鋭さと高回転を回し切る気持ちよさです。
• 「踏んだ瞬間に前に出る」ダイレクト感
• 高回転域まで回し切った時のサウンドと快感
• 操作と挙動がシンクロしやすく、運転技術が磨かれる
例:
• シビックタイプR(EK9, B16B NA VTEC)
8,000回転以上を使い切る感覚が爽快で、サーキットでは「エンジンを操る楽しさ」を強烈に味わえる。
• S2000(AP1/AP2, F20C/F22C)
高回転を維持しながらシフトを繋げる「操っている感覚」が最大の魅力。上級者ほど楽しめる。
ただし、NAにも課題があります。
• パワー不足でストレートでは置いて行かれる
• トルクが細いので立ち上がりがシビア
• 軽量化やギア比など、周辺チューニングが必要
3. サーキット特性による違い
走るサーキットによって「楽しい」と感じるポイントも変わります。
• ストレートが長いサーキット(富士、鈴鹿本コース)
→ ターボ有利。最高速が伸びるため、爽快感も抜群。
• テクニカルなサーキット(筑波、鈴鹿南、美浜)
→ NA有利。アクセルワークとライン取りの緻密さで勝負できる。
• ミニサーキットやジムカーナ場
→ NAのレスポンスが楽しい。小さな加減速が多いのでラグのないNAは強み。
4. 運転スタイルの違い
• ターボ派
• タイムを削りたい
• 加速の快感を味わいたい
• 多少ラフな運転でも速さを実感できる
• NA派
• 操る楽しさを重視
• 「ギリギリを攻める」技術を磨きたい
• 高回転まで回してこそ楽しいと感じる
5. チューニング視点での楽しさ
• ターボ車
• ブーストアップやタービン交換で手軽にパワーアップ
• ただし冷却系や補強も必要になり、費用がかさみやすい
• NA車
• 吸排気・ECU・ハイカムなどで「気持ちよさ」を追求
• 軽量化やファイナル変更で「速さ」を補う
• エンジンを「使い切る楽しさ」が維持される
6. まとめ:どちらが“楽しい”のか?
結論としては、楽しさの方向性が違うということ。
• ターボ → 爆発的な加速と速さの楽しさ
• NA → 操作と回転を使い切る気持ちよさ
もし「速さに驚きたい」ならターボが楽しく、
「自分の腕で速さを引き出したい」ならNAが最高です。
サーキットに通い続けている人ほど、最終的に「NAの楽しさ」に惹かれていくケースも多いのは興味深いところです。
