2025/09/19 11:17


車の足回りカスタムの定番とも言える「ホイールのインチ変更」。ホイールサイズを変えることで、見た目がガラリと変わるだけでなく、走りにも確かな違いが現れます。この記事では、タイヤのインチ数を上げる「インチアップ」と、逆に下げる「インチダウン」について、それぞれが車の挙動や快適性にどんな影響を与えるのか、解説していきます!


インチアップするとどうなる?

ホイールのインチ数を上げると、必然的にタイヤの厚み(扁平率)を薄くする必要があります。これはタイヤの外径(車全体の高さ)を保つためで、例えば15インチから17インチに上げる場合、タイヤの厚みを減らしてバランスを取ります。インチアップの最大のメリットは、ステアリングのレスポンスが格段に向上することです。タイヤのサイドウォール(側面)が薄くなることで、ハンドル操作に対する反応が素早くなり、コーナーでの踏ん張りも効くようになります。特にサーキット走行やスポーツドライビングにおいては、車の挙動をより正確にコントロールできるため、確実なメリットがあります。

ただし、欠点もあります。まず乗り心地が硬くなります。タイヤが衝撃を吸収しにくくなるため、路面の段差や継ぎ目を拾いやすく、振動がダイレクトに車内に伝わります。また、ホイール自体が重くなりがちで、その分だけ燃費や加速性能にも影響を与えます。さらに、扁平タイヤは価格が高くなりやすく、維持コストも上がります。


インチダウンするとどうなる?

一方、インチダウンはホイールサイズを小さくし、その分だけタイヤの厚みを増やす方法です。これは主に冬用タイヤや快適性重視のセッティングで使われることが多く、一般道や長距離移動に適しています。

インチダウンの大きな利点は、タイヤが厚くなることで衝撃を吸収しやすくなり、乗り心地が大幅に向上する点です。段差や荒れた路面でも車体がガタつきにくく、日常の運転が非常に快適になります。また、一般的に小径ホイールや高扁平タイヤは価格が安く、タイヤの寿命も長くなる傾向があります。結果として、維持費を抑えたい人にも向いています。

ただし、デメリットとしては、ハンドリングのキレが鈍くなりやすいことが挙げられます。タイヤの側面がよくたわむため、ハンドル操作に対する反応がワンテンポ遅れたり、コーナーでのふらつきが目立ったりすることがあります。また、大きなブレーキキャリパーを装着している車では、インチダウンによってホイールと干渉する可能性もあります。


最後に:インチ数は「見た目」だけではなく「使い方」で選ぶ

タイヤのインチ数は、単にドレスアップ目的の変更ではなく、車の性格を大きく左右する要素です。

自分の車の「使い方」を基準に、最適なタイヤサイズを選ぶことが、快適で楽しいカーライフへの第一歩です。