2025/03/15 09:30



車の運転技術を向上させたいと考えたとき、どこで練習するのが良いのか?

公道では限界があるし、かといってサーキットは敷居が高い…。

「峠で走り込んでうまくなる」という意見もあれば、「サーキットでしっかり練習すべき」という考え方もあります。


では、どちらが正解なのでしょうか?


ただし、公道はあくまで一般車が走る場所。

無茶な走りをすれば、他の人に迷惑をかけるだけでなく、自分の身を危険にさらすことになります。

そのため、できるだけ「安全に」「確実に」スキルアップできる練習方法を選びましょう。


1. ハンドルやアクセルの感覚を養うなら「峠」でもOK

「運転がうまくなりたい」と考えたとき、多くの人が最初にイメージするのが峠道でしょう。

確かに、カーブの多いワインディングロードは、ハンドル操作やアクセルワークの練習には向いています。ただし、ここで大切なのは「スピードを出す必要はない」ということ。

実際、低速でも十分に練習になります。


● ハンドルの切る・戻す動作を意識する

カーブの進入から出口にかけて、ハンドルの操作を丁寧に行うことを意識します。

急に切るのではなく、スムーズに操作し、カーブの出口に向けてハンドルを戻すタイミングを体に覚えさせる。

これだけでも、かなり運転の質が変わります。


● アクセルの踏み方を調整する

カーブの手前で適切に減速し、クリッピングポイント(カーブの内側の頂点)を通過した後、徐々にアクセルを開けていく。

この「アクセルを踏むタイミング」も、低速域でも十分に学べます。

峠道なら、普通に流れに乗って走るだけでも、このような練習ができます。

「速く走る」ことを目的にせず、「いかにスムーズに走れるか」を意識すれば、公道でも安全に練習が可能です。


2. リアが滑る感覚を掴みたいなら「平日の空いているサーキット」へ

一方で、「リアが滑る感覚を知りたい」「コーナリングの限界を試したい」という場合は、やはりサーキットが最適です。公道では限界を試すことができませんし、無理にやろうとすれば事故につながる可能性が高くなります。そのため、「クルマを自在にコントロールできるようになりたい」という場合は、サーキットでしっかり練習するのがベストです。特に、平日のサーキットは比較的空いていることが多く、思う存分練習できます。

貸し切りの走行会なども活用すれば、より安全に「攻めた走り」が試せる環境が整います。


● リアが滑る感覚をつかむ練習

FR(後輪駆動)車の場合、アクセルを踏みすぎるとリアが流れることがあります。

このとき、「ただ滑る」だけではなく、「どのようにコントロールすればクルマが安定するか」を学ぶことが重要です。


特に、低ミュー(摩擦が少ない)路面を設定できるサーキットなら、低速でも滑りやすい状態を作れるため、安全に練習できます。


● コーナリングの限界を知る

サーキットでは、自分の車の限界を知ることもできます。「どこまで攻めるとアンダー(前輪が外に逃げる)やオーバー(後輪が流れる)が出るのか?」「タイヤのグリップがどこまで持つのか?」これらを試しながら、車の挙動を学ぶことができます。特に「スピンしても安全」という環境があるのは、サーキットならでは。

公道では絶対に試せないような挙動を、安全に体験できるのが大きなメリットです。


3. ただし、お金はかかる…

ここまで「峠」と「サーキット」の練習方法について説明してきましたが、やはりネックになるのはコストの問題。最近はガソリン代が高騰しているだけでなく、タイヤ代やオイル代も上がっており、なかなか気軽にサーキットへ行くのも難しくなっています。

特にタイヤは消耗が激しく、本格的に走り込むと交換頻度が上がるため、コストがかさみます。そのため、「いきなりサーキットでガンガン走り込む」のではなく、まずは峠などで基礎的な操作を学び、それからサーキットで応用練習をするという流れが理想的かもしれません。


「サーキットに行くのは年に数回、その代わり普段は峠道や広い駐車場で基礎を固める」といった形で、無理なく上達を目指すのもアリです。


● 軽めの練習なら「峠」でもOK

● 限界走行の練習は「サーキット」が最適

● コスト問題も考慮して、無理なく続ける

運転技術の向上は、一朝一夕でできるものではありません。「自分に合った練習方法」を見つけ、安全に楽しくスキルアップしていきましょう!